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2008年4月

2008年4月30日 (水)

魚卵まつりの夜

クーです。

東海林さだおの丸かじりシリーズの中で

「最後の晩餐に炊き立ての白米を食べてよいと言われ、その上おかずを一品だけつけてやろうと言われたら何を選ぶか」

という話があった。
確か東海林さだお自身は「生卵」がダントツで1位だったと思う。
で、その後が塩鮭とか納豆だったような気がする。
(本を引っ張り出すのが面倒だし、どの本に書いてあったか記憶も曖昧なのでそういうことにしておく)

これに異議を唱える人はそんなにいないと思う。
「生卵」は私も上位に入ってくる。
卵かけご飯は美味しい。
「納豆」もほぼ毎日食べるくらい好きだ。

でも1位じゃない。

私が選ぶなら「筋子」だ。

これこそ
「異議あり!」
の怒号が飛び交いそうだけれども。

海ナシ県で育ったくせに、新潟出身の母のおかげで我が家の食卓には頻繁に丸々一本で届いた新巻鮭や筋子が上っていた。
新巻鮭が届くと、指導するのは母、捌くのは父。
その楽しそうな様子は今でも覚えている。

余談になるけど、新巻鮭の尻尾と頭はどうするか。
我が家では頭は少し塩抜きをし、鼻から縦に半分に切ったのを鍋に入れたり煮物にする。
尻尾は気持ち多めに身を残し、そのままどこか風通しの良い日陰に吊るして数日干す。
イイ感じに乾燥したら骨ごと出来る限り薄く切り、なるべく良い日本酒にひたひたに漬け冷蔵庫で1日。
これは寒い冬にしかできないけれど、とにかくものすごく旨い。
鮭トバのような臭みがなく、クニクニした身と皮の食感がたまらない。
良い新巻鮭が手に入ったら是非試してみて下さい。

で、話を戻しますと。
静岡に来てから残念な事。
とにかく魚が置いてありそうな所には「マグロ」ばっかりだったということだ。
確かにマグロは美味しい。
生シラスや桜エビを初めて食べた時本当に美味しいと思ったし、
「あぁ、これが旬の物、その土地でしか食べられない物を食べる贅沢なんだな」
としみじみ思った。
それがとても幸せな事だということも理解している。

でも。
どうしても食べたくて食べたくて仕方なくなる物って皆絶対にあると思う。

隅っこに追いやられた何だか妙にピンク色のタラコ。
見かけても1、2個しか置かれていない妙に赤くてほぐれた筋子。
たくさん並べられてはいるけどなーんかピンとこない味の鮭。

スーパーはもちろんデパートの地下や魚市場なんかで彼らを見かける度、
「ひょっとしたら」
と期待しながら買ってくる。
そしてワクワクしながら1口。
「・・・そうか、そうきたか」
と小さく呟く。
鮭は1切れが2日かけてやっと消費され、筋子は危うく忘れそうになるくらい長い期間冷蔵庫に陣取ることになる。
もしかしたら意識的に見ないようにしているのかもしれない。
何度懲りても、
「今度こそ」
と思いながら一向に学習能力の向上が見られない。
そして毎度溜息をつく。

ここ2年程、新潟に帰る機会がなくてちょいちょい禁断症状が出ていた私。
先日ユキが突然
「なぁ、マルヒコに頼もうよ。」
と言ってきた。
マルヒコは新潟に行った時、少々遠回りしても寄る店だ。
随分前に「HPあったよ」と言った私の言葉を彼は覚えていてくれたらしい。

「でも高いよ?」
と迷う私に
「たまにはいいじゃん」
おお。なんという神のお言葉。
さっそく2人で新津弁を懐かしみながら電話注文をした。

コレクトコールのクール便でやって来た愛しい彼ら。
ニヤけた顔でいそいそと荷物を受け取る女。
配達のお兄さんはさぞかし不気味だったに違いない。Img_3053a
 写真じゃ見難いけれど奥が銀鮭、手前が紅鮭の山漬け。
「山漬け」っていうのは鮭と塩を交互に山のように積み上げる事からきた名前だとか。
もっと色んな種類を頼みたかったのだけど、去年は鮭が不漁だった為に中々手に入らないらしい。
なるほど、いつもよりちょいと薄い切り身のような気もする。
こっちでもノルウェー産のをよく見かけるのが頷ける。
ノルウェー産の物はソテーにするなら良いけど、塩鮭にすると脂がのりすぎていて私は苦手だ。

本当は「塩引鮭」が残っていたら1切れでも・・・なんて淡い期待を抱いていた私達。
時期が時期だし今年は本当に数が少なかったとのこと。
「塩引鮭」というのは村上名産の手間のかかる塩鮭で、塩漬けにした鮭を寒風で干す独特の旨味を持った高級品。
これを丸ごと1本買おうと思ったら目玉が飛び出るくらい高い。
でも食べると鮭の概念が変わってしまうくらいものすごく旨い。
これで鮭のおにぎりなんか作ったらもう他のは食べられなくなる程、独特の風味があって美味しい。

んん、残念。
まぁ時季外れなのは重々承知。
いいのさ、メインがあれば。
Img_3058a メインの魚卵たち。
写真左から「ます子」 「内地子(ないちこ)(鮭子)」 「たらの子」
筋子にも鮭の子とマスの子がある。
「内地子」っていうのは鮭子の事。元々は漁師がそう呼んでいたらしく、今じゃ若い人はあまり言わないみたいだ。

じゃ、魚卵まつりの始まりだよ。ひゃっほー。

とりあえず「紅鮭の山漬け」だけ焼いてみる。
ハッと気づいたら一口食べてしまった。
食べかけすみません。
Img_3066 はぁ。
旨い。
あのね、しょっぱいんだけどしょっぱくないの。
白い米がなくてもこの鮭だけで、腹の方まで食べられる塩加減なの。

ただ塩っぽかったり油ぽかったりする鮭とは違って、1枚づつ箸で取れるプリッとした身。
「そうです、鮭です」っていう鮭独特の味がしっかりする。
皮もパリっとして旨いなぁ。

では念願の「内地子」を炊き立てのご飯に。
Img_3073a
くぅ・・・。

「ど、どうした?」
とユキがビックリして聞いてきたくらい、私は泣きそうな顔になっていたみたい。
実際泣きそうなくらい旨かったわけだが。
だってこれが食べたくて食べたくて仕方なかったんだもの。

唇がヒリヒリするくらいしょっぱい。
けど旨い。
イクラとは違い、ねっとりとして噛みつくとトロリと濃厚な味が舌にまとわり付いてくる。
熟成した味。
このねっとりがたまらない。
コクがあって深みがあって。
ああもう箸が止まらないよ。

「マス子」は「内地子」と比べるとさらりとした味で少し独特の苦味がある。
よく見かける、なんだか鰹ダシだか醤油だかがプン鼻をついて不自然にプチンとはじけてしまう変な筋子とは違って、柔らかくプツリと割れて、とろりと口の中に広がる味はなんとも言えず旨い。
Img_3070a_3
たまたま見かけたこのビール。
まるで生ビールのような旨味と苦味があってすごくイイ。
でも今日はユキにグラスに注がれて
「飲まないの?」
と言われるまで手が伸びなかった。
いつも夕飯はビールを飲みながらちびちびとしかつままない私。

えへ。
ご飯2杯目。
(ユキの好奇の視線)
ルクルーゼで炊いた白米は美味しいな。
おこげつき。

こちらはユキたっての希望で多めに注文した「たらの子」。
Img_3071 明太子も確かに旨いのだけど調味液に付け込む分、どうしても卵が水分を多く含んだようにバラバラ感が増すような気がする。
それに比べるとこれは一粒一粒がキュっと締まって味が濃縮された感じ。
塩加減が抜群。

これも旨いなぁ。

少しもったいないけどシラタキとタラコをさっと煮炒めた真砂煮も美味しい(酒、みりん、ほんのちょっとだけ醤油をたらす)。
表面をサッと焼いて熱いほうじ茶を上からかけるだけのお茶漬けもこれまた旨い。
大好きだ。

ムッ。

なんか気配が。

あ。チコさん。

Img_3075a

スタンバイされていらっしゃいましたか。
(実は鮭を焼いている時からずっと足元でふにゃふにゃまとわりついて危険極まりなかった)

普段はあげないけど・・・しょうがないナ。

旨いものは皆で分け合おうか。

(鮭を小指の爪の先程)

ちょっ・・・早っ。

あぁ、なんて幸せなんだ。
今夜もし間違って突然死んでしまっても悔いはない。
(明日はイヤだけど)

「オレさ、普段あんまり鮭とか筋子とか食べないじゃん?」
と新たな筋子に手を伸ばすユキ。

そう言えばそうだね。
でも今日は私以上に食べてないか?

「だっていつものはやっぱり不味いし(笑)」

コ、コノヤロー。

いつも「コレ買おうよ」とかそそのかしておきながら、1口食べて「あれ?」と思ったヤツは私に喰わせていたんだな?
どうりで塩鮭も筋子も減らないわけだ。

九州出身の彼は今まであまり鮭だとか筋子だとかを食べた事がなかったらしい。
でも1度新潟に連れて行ってからは
「今回は何を買って帰ろうか?」
と私よりテンションが上がっているユキを見ることが多々あった。

喜んでパクパクと頬張る私を見て
「注文して良かったね」
と微笑むユキ。
でもひょっとしたら本当は彼の方が食べたかったのかもしれない。

コレステロール?

塩分過多?

なぁに、それ?

ま、たまにだからイイんです。

やっぱり私の白米の友第1位は「筋子」に揺るぎない。

そんなに旨いもんじゃないよなぁ?って思っている方。
是非ちゃんとした筋子や鮭を食べみて下さい。
筋子が愛おしくなるかもしれません。
(ウソ)

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2008年4月19日 (土)

ソビスケ @静岡市駿河区

クーです。

ネットで見かけた新しい蕎麦屋、ソビスケ
このHP見たら一体何をどうしたいのか、何処へ行こうとしているのか、どんな蕎麦・・・じゃなくて「ソビ」が出てくるのかワクワクしすぎて堪らなくなった。

入っていきなり。
Img_3024
うは。
ダメだ。
好きすぎる。
だってこれ回ってるんだもの。

お。
意外に(失礼な)キチッとした優しそうなご店主。
これ被りながら打ったりするんだろうか。
「被ってる時の方が上手く打てるんですよ(満面笑顔)」
とか言って欲しい(妄想)。

最初に「ソビ茶」と「ソビの実」。
私は自分でも不思議なんだけど蕎麦好きなのに蕎麦茶はそんなに好きじゃない。
飲めない程ではないけれど、うまいと感じた事があまりなかった。
でもここのは一口飲んで「あ、美味しい」と思った「ソビ茶」だった。
Img_3014 オシナガキはカタカナでちょいと見にくいけれどキニシナイ。
「セイロ」と「テンイナカ」をオネガイシマス。
(オシナガキの横にある小冊子に写真付きで詳しく載っているのでそれを見てもいいかもしれません)
Img_3020 とてもきちんとしてなかなか堂々とした風情のソビ。
シャキっと腰があって表面のざらつきは控えめだけど、私は結構好きなソビだ。
Img_3021 食べる前に頂いたソビ茶の影響もあるかもしれないけど、香りがとても良い。
「サンショク」にすれば良かったとしみじみ後悔。
Img_3019 「イナカ」は見た目よりもモチッとしていなくて、やはりしっかりとした腰があってスッと食べやすい。
「セイロ」「イナカ」共に香りが良く、とてもスッキリとした印象。

Img_3023 「テンネタ」は衣が軽くてサクッとしてイイ揚げ具合。
一口もらった海老は噛んだとたんにジュワっとしてニコニコになった。
薬味入れの中に塩もあったので、塩で天ぷらを食べるのが好きなユキも満足気。
量も大満足。

ツユは甘くはないのだけど、かなりあっさりしている。
ダシがしっかりしていたので食べる内にそんなに気にならなくなったけれど、やっぱりかえしがもっと強い方が私は好きだ。

蕎麦を食べ終わる頃、残っていた薬味の大根おろしを口に放り込んでいた私。
店員さんが蕎麦湯を持って来てくれたのだけど、

「ソビユです(ニコッ)」

と急須を置かれて、思わず大根おろしを口から吹きそうになった。

徹底してるなぁ。
ツボったヨ。

店の雰囲気のように清々しくて口の中にいつまでも心地良く残るソビの余韻。
他のお客さんがほとんどいなかったのもあるかもしれないけど、とてもゆったり過ごせた気持の良いソビ屋でした。

ツユは「サラシナ」だと丁度良さそうなので、夜にでもお酒とツマミと「サラシナ」でチビチビやってみたい。

ちなみに・・・

 打ち場の写真は会計の時どうしても気になって
 「あのう、写真撮ってもいいですか?」
 と恥ずかしさを飲み込んで、恐る恐るご店主にお聞きしたら
 「どうぞどうぞ、止めましょうか?そこ開けてもらって構わないですよ」
 と、こちらが恐縮してしまうくらいにとても優しい笑顔とお言葉。

 「じゃぁ、被って頂いていいですか?」
 危なかったぜ。
 うっかり言わなくて本当に良かった。

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2008年4月12日 (土)

蒲原館 @静岡市清水区

クーです。

昨年友人から
「すごく美味しいよ。家は昔から家族みんな好きだよ」
と教えてもらって以来、私達も「すごく好き」になったラーメン。
昔は旅館でその食堂が残っているという、とても有名な店なんですね。
気がつけば月に2度は通ってしまっている私達がいる。
Photo 綺麗なラーメンだな。
「昔ながらの味だよ」と聞いていたのでそんなに期待していなかったのだけど、目の前に置かれたラーメンからは私達の大好きなトンコツの香りがふわりと漂ってくる。
うしし。なんていい香り。
その香り通り、しっかりとトンコツの味、甘みがあるスープ。2
チャーシューは日によって部位によって、硬かったり柔らかかったりで色々だけどそれもまた楽しい。
ほんのり表面がざらりとしてゆるく縮れた麺。
いつも硬めにしてもらうのだけど
「あれ?もう終わっちゃった」
っていうくらい最後まで美味しくあっという間に食べ切ってしまう。

「えぇ??これが昔ながら?」
とビックリ。
私達が想像する昔ながらのラーメンというは、もっと醤油が強くてしょっぱいイメージ。
だからこのラーメンは逆にすごく新鮮な味だった。
Photo_2Photo_3Photo_4   ユキは今までラーメン全種類とオムライス、チャーハンを試しましたが、その度に目の前で『ラーメン』を啜る私に
(私はいつものことながら頑として『ラーメン』しか頼まない)
「あー・・・。やっぱ『ラーメン』にしておけば良かったかも・・・」
と呟き、
「なぁ、ちょっと交換しない?」
とトレードを要求してくる。

(一口で終わるわけないからイヤですョ)

他のも決して悪いわけではないのだけど、「やっぱりラーメン」の結論に。

そして私はいつも最後の一口の麺を啜る時
「・・・大盛りにしておけば良かったかな」
と少し後悔する。
でも車に乗り込んでしばらくすると
「あ、やっぱり丁度よかった」
と幸せな気分になる。
なのに、またここに来た時には
「大盛りにしようかな」
と悩む終わらないループ。
でもたぶん大盛りでもペロっと食べきる自信ありの、大好きなラーメンです。
(最近食い過ぎだナ)
Photo_5Photo_6  ちなみにいつも(すんごい)混んでいるので私達は時間をずらして伺うようにしてます(土日は通し営業)。
そして少し遅い時間の方がスープが濃厚になっているような気がして、ますます大好きな味になっていたりするのです。

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2008年4月 9日 (水)

長浜ラーメン @韮崎市②

クーです。

今期はなかなかスノボに行くことができなかったのでブーブー言ってるユキ。
その少ない機会の中で楽しみにしているのは『長浜ラーメン』でラーメンを食べる事。
まぁスノボがなくてもわざわざ食べに行ってしまうくらい、ここのラーメンが大好きな2人なんですが。

アツアツのラーメンは冷えた体に沁みます。
スープは相変わらず好き。
美味しいと思う。

でも。

昨年から何度か行ってみたけど、どうも少し前から麺が変わったみたいだ。
バリカタにすると昔のようにコリコリポクポクした麺じゃなくて、なんだかべちゃっとしてモロに「えと・・・結構生っぽいです」って感じ。
Img_0987aImg_0989a

このコリコリした黄色っぽい昔の麺が大好きだったのに・・・。
(写真はもちろんずいぶん前のもの)

小麦の値段とか色々な物が値上がりしている影響がここにもあるのかなとふと思ったり。

近場で美味しい豚骨ラーメンが食べられる貴重な店だったのにな。
今は大変なんだろうなぁと思いつつ、でもやっぱり昔の麺に戻して欲しいとなと願いながら替え玉をせずに帰った、ちょっぴり切ないある日の夕方でした。

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